口止め「第6資料室で待っている」 と、そう書かれていた。 指定された日付は、今日の午後だ。 ・は中央司令部に勤務する軍人である。 女性とはいえ、事務畑ではなく銃器を扱う部門にいる人間だ。 世間では、この年頃ならば普通恋人がいるものだろうが、にはいない。ずっと軍部に憧れていた人が居るからである。 ロイ・マスタング大佐……。 十代、二十代の若い軍人ならほぼ、みな憧れていると言っていい男だ。 東方司令部に飛ばされる前の、まだ若い彼をよく、このセントラルで見つめていたのである。 もちろん、見つめるだけだ。 不幸にも、配属されている部署が全く違ったので、見かけられる機会など少なかった。 ゆえに、面識などあろう筈が無い。 だからただ、見つめる、だけだった。 後悔したのは、ロイ・マスタングが地方に飛ばされた後。 見慣れた司令部に彼が居ない事がこんなに寂しいとは、知らなかったのだ。 ただ、見つめるだけだというのに、それでも、いない事が寂しかった。 今週いっぱい、ロイが中央司令部に出張に来ると知ったのは先週のことである。 思い切って、ラブレターを書いて東方司令部に送ってしまった。 「逢ってください」等と、かけるはずが無い。 遠くからでも、また姿が見れるのが嬉しい、と書いただけだった。 それに手紙自体、彼がこちらに来る前に届くかどうか、判りもしなかった。 そう、あの手紙はロイからの返信だったのである。 「……行くしか、ないじゃない?」 はその一言だけのそっけない手紙をぎゅうっと抱きしめた。 緊張はするけれど、やはり嬉しい。 何を話せばいいのだろう、と考えながらコッソリと手鏡を覗き込む。 大佐は女性関係が派手だと噂されている人だ、美しい人も見慣れているだろう。自分は、大丈夫だろうか、と確認する。 醜いとは思わないが、美しいとまでいっていいのか躊躇った。 だが、最初で最後の機会でも、逢えるのだ。 鏡の中の自分に向かってが微笑む。 笑うと、少しだけ綺麗に見える気がした。 昼過ぎ、食事を終えて午後の任務をこなしながらようやく時間の調整がついた。 指定された時間に間に合いそうだった。は市街を巡回する、と同部署の人間に言い部屋を出た。 ……サボるのは、初めてかもしれないわ。 実際、この手口は同僚に教えてもらったもので、使っている人間は多いという。 巡回、出張、資料作成のため。 このあたりの理由をつけて部屋に出るものの何割かは、サボっている……らしい。 待ち合わせは資料室なのだから、資料作成にしておけばよかったのかもしれない。 第6資料室は、主にもう誰も使わなくなった、旧法律の時代に裁かれた者の判例などがおいてある、人の立ち寄らない場所である。 そこを指定してくるということは、大佐はよくそこをデートに利用したのだろうか?と考え、は首を振った。 どんな噂が立っていても、悪い人間だとは思いたくなかったからだ。 ほんの少しだけ、女らしくみえたらいいと思い、ロッカールームに立ち寄ってスカートとパンプスに履き替えた。 普段は軍靴にパンツ姿なので、歩き難かったが少女のようにはそれだけの「おしゃれ」に心を躍らせた。 「失礼します……。」 ロイが本当に居るのかどうか、半信半疑だった。そっと扉を開けて覗き込む。 「やあ、君が手紙をくれたのかね?」 窓にロイ・マスタングがもたれていた。逆光で顔は見えないが、面白がるような声だった。 「はい……。」 の声が震える。初めて、大佐に話しかけられたのだ、と思うとぞくり、とした。 「入っておいで。お互いサボっているのが知られてしまうだろう?」 「はい、失礼しましたっ。」 慌てて扉の内側に滑り込んで後ろ手に扉を閉じる。 いや、上官の前なのだから一礼してから扉を閉め、の方がよかったのだろうか?と、は混乱した頭で考えた。 「突然、不躾なお手紙を送ってしまい、申し訳ありません……。・といいます、マスタング大佐。」 「私がロイ・マスタングだよ。君のように美しい人が軍にもいたなんて知らなかったな。手紙、嬉しかったよ、ええと……。失礼、階級は?」 が自己紹介する間に、ロイはつかつか、と歩み寄ってきていた。傍に来ると逆行からも逃れて、ロイが笑っているのがわかった。優しそうに微笑んでいる姿にほっとする。 「少尉です、大佐。」 敬礼をしつつ、階級を答える。 「いや、いい。仕事ではないからね、と呼ぼう。」 にこり、と大佐が笑う。笑いながら、するり、と自然に腰に腕が回されて顎をつままれる。 「えっ、あの……マスタング大佐?!」 おどろいて、がロイの胸に手をついて押し戻そうとする。 「もっとよく顔を見せてほしいのだよ。」 ふふふ、と額が触れそうなほどロイの顔がに近づいて笑う。話す言葉が、風になっての顔に当たる。 狼狽してが頬を赤らめると、可愛いな、と言ってロイが顎を開放する変わりに頬を撫でる。びくっ、との体が強張り、その瞬間顎が開放された事に気がつくと慌てて顔を背けた、腰を抱き寄せられたままだったから、それ位しか逃げられなかった。 「私が、嫌なのかな、?」 悲しそうな声音でロイが言った……様に聞こえて、がそっと横目でロイを盗み見る。本当に寂しい、という顔でロイがこちらを見ていた。 「いえ、まさかっっ。でも……あのままでは、唇が……触れてしまいます。」 「駄目なのかい?……嫌なら、仕方ないね」 覗きこんだロイの顔が寂しそうに曇る。些かも拒まれるなどと思って居なかった顔だった。 「いいえ、あの、でもっ……お会いしたばかりで、そんな。」 「関係ないよ、時間なんて。キスを許してはくれないのかな?」 ふるふる、とが首を横に振る。嫌なはずが無い。ただ、どうしてそこまでのサービスをロイがしてくれるのかが、わから無いだけだ。 「可愛いね、。」 「きゃっ……。」 ぐい、と抱きしめられて耳元で囁かれる。暖かい体温が軍服越しに伝わってきた。それと同時に自分の胸がロイに押し付けられているのがわかる。あわてて離れようとすると大佐の唇はもう、目の前だった。 自信ありげに微笑む表情で覗き込まれてはどきり、とする。慌てて瞳を閉じると唇の上に柔らかい感触があった。 くい、と頭の後ろを支えられて、が驚いて口元が緩めてしまった。その隙に食らいつくようにしてロイが激しくその唇を求めた。 目を開けると、優雅に目蓋を伏せて楽器か何かに唇を寄せているような表情のロイが見える。だが、実際その表情とは裏腹に、ロイの舌はの口内に侵入して巧みに舌を絡めてくる。息苦しくなって腕の中でもがくと、ロイは一端唇を離してに息継ぎする間を与えて再び激しく唇を奪った。 「っふ……。」 何度目かの息継ぎをすると、緊張とキスの快感だけで足元がかくかくとおぼつかない感覚に囚われた。ふらり、と傾く体をロイの腕と背後にあった扉が支える。 「ああ……忘れていたよ。」 かしゃん、と資料室の鍵をロイが空いているほうの手で閉じる。資料室棟は機密資料が多いために外からも、また作業をしているときに掛けれる様にと内側から、両方で鍵が出来るようになっていた。 「……あ、大佐……?」 「見られたら、困るだろう?」 何を? そうが聞く前に唇を再び塞がれる。んっ、との鼻から漏れる息が音をたてる。全神経がキスに集中していた、ロイは余裕があるのだろうか右手で首筋や髪の間に指を差し込んでキスをしながら愛撫を楽しんでいた。ロイに触れられる場所はどこもぞくり、とするが時々酷く的確に過敏な場所を探り当てられるのかの体がびくん、と跳ねる。「んっ。」と鼻から声が漏れると、それを合図にしたようにロイがその場所を念入りに責める。 頭がぼんやりする位にロイの腕の中は居心地がよく、キスは激しく、ついついふらつく足元に任せて体重をその腕に預けた。しっかりとロイの腕がその体を支えて倒れないように慎重に床に下ろし座らせる。 「ごめんなさい、あの、私……緊張してしまって。」 赤い顔を見られないように顔を背けながらはロイに詫びた。 「いいんだよ、可愛いから。」 ふふ、とロイが笑い、その左手が肩に置かれる。ごく自然に、それに力が込められて次の瞬間にはロイの右腕がの背を庇いながら静かに押し倒された。 「やっ……えっ、大佐?」 「好きだよ、。愛している。」 跳ね起きようとするにロイは跨ったまま魔法の言葉を囁く。嘘のように抵抗しようという気が萎えて行く。そのまま、ロイの唇はの耳元から首筋にかけて次々とキスをする。 「ゃ……大佐、くすぐったい。……きゃあっ。」 首筋をぺろり、と舐められての口から変な声が出てしまう。 「可愛い声だね、。もっと聞かせてくれたまえ。」 「ええっ……? あっ。」 ロイが微笑みながら言うと、軍服の上着のボタンが外されていく。がさり、と分厚い生地が摺れる音がして上着の前が開かれる。 「へぇ、君はシャツ派なんだね。ちょうどういいよ。」 ロイがにっこりと笑う。当然とばかりにロイの両手がシャツに伸びる。むに、と押すようにしてロイがの胸に触れる。「大きいな。」といいながらロイは嬉しそうに頬を寄せた。 「大佐ぁ……。」 片方の胸にもたれるようにしてロイの頭が押し付けられ、ロイはそのまま右胸のふくらみを見ながらふにふにとそれを揉みしだいていた。 「なんだい、。ほら、ここ、硬くなってきたよ?」 シャツの上から撫で回しされた胸の先端が下着ごしにもツンと上を向いているのがにも見えた。ロイはそれをむにむに、とシャツ越しに摘んで弄ぶ。痛みは感じないが、羞恥はそのぶん増幅されるかのように酷かった。 「やっ……。」 「気持ちよくないかね?」 ロイが不思議そうに問う。慌ててが首を振る。 「あ、当たり前ですっ。……やあぁっっ。」 の講義する声を聞きながら、ロイは体をうかせたと思うとその手を足の間に滑り込ませてきた。当然のように膝をなで回しながら少しずつスカートへと侵入して太ももを擦る。 「すまない、もっとイイ所を探してあげようね。」 の言いたいことはロイには通じず……いや、通じていてわざとなのかお構いなしに体を無遠慮にロイが探る。 「ゃ……、駄目。」 足の付け根までロイの指がたどり着こうという所で、必死にが足を閉じる。おや?とロイが首をかしげながら暫くスカートの中をその手がさまよう。 「やはりこちらにしようか?」 そう言ってロイの標的は再び、胸に戻ったようだった。絞ろうとするかのような向きにきゅ、と左右両方ロイが握る。 「あんっ……痛い、大佐ぁ。」 ついつい、の口から甘い声が漏れる。腰が少し疼くような感触を覚えて頬が赤くなるのを感じる。ふふ、とロイが笑う。 ぷちぷち、とロイがシャツのボタンを外してく。は抵抗出来ずそれをただ見下ろしていた。上気した肌がやけに白い下着を目立たせているのが見えた。 「、準備がいいね。下着も前割りだ。」 助かるよ、と言いながらロイがするり、とブラの前ヒモを解く。ぷるん、と火照った胸が窮屈く押さえていた下着を弾くようにしてロイの目の前に現われる。 「ふふ。」 ロイは笑いを漏らしながら直にの胸に手を伸ばす。ただ、そっと触れられただけでの体がびくん、と跳ね上がる。硬さを失っていた胸の先端が再び充血してかたくなって行く。それを、ロイは苛めるように執拗に指先を軽く這わせる。 「やっぱり、ここがイイのかな、?」 試すようにロイが覗き込んでくるのが見えて、は思わず目元に涙を浮かべた。ずっと憧れてきた相手に、こんな姿を見られているのが恥ずかしくて仕方なかった。 「?」 ロイの声は聞こえない振りをして顔を出来るだけ背ける。とはいえ、組み敷かれて両の胸をつかまれていては限界がある。 ふぅ、とロイが溜息をつく声が聞こえた。 「やぁぁぁぁぁ……ん。」 次の瞬間、胸に初めて触れる感触にびくり、としてがそちらを振り返る。くりくり、と先端を転がすようにしてロイの指が右胸を弄び、左の胸にはロイの顔がしっかりと押し付けられている。 ころり、と先端がロイの口内で転がされる。 くっ、と引き寄せられるような感触がしてロイの口に胸が吸われる。 「くっ、はぁぁぁん、あっ、ぁぁっん。」 先端だけでなく、胸ごと飲み込むようにロイが口を大きくあいて含めるだけ含み、べろべろとその口の中で舌を動かす。 円を描くように動かされるそれは次第に先端に寄って行き、先端を舐めるかとが思った瞬間に不意に動きを止める。 「……あ、大佐?」 「こっちの番だ、。」 そういうとロイが右の胸にしゃぶりついて再びそこを責め始める。先ほどと同じように左の胸はロイの指が這う。 「ああっ、大佐っ……。」 今まで、知らなかった快感にが身を震わせた。 士官学校には幼い時に入ったし、真面目にすごしすぎて恋をする機会などなかった。軍に入ってからは、ずっとロイだけに憧れていた為に恋人など居なかった。 恋もセックスも書物の中でおぼろげに知った存在だった。 それを、今ロイにされている。 それがロイの技術以上にの心を昂らせた。 「大佐……。」 むちゅ、とロイの唇がの胸を吸う。びくん、と震えながらはロイの頭を抱きしめる。全て先ほどと同じように、ロイの舌が正確にの胸を刺激して行く、くるくる、と円を描くように舌を這わせてあと少しのところでロイの唇が離れてしまう。 「あんっ、駄目です大佐……ん。」 熱に浮かされたようにロイを呼びながら、は彼を呼びながらロイの頭を胸に押し付ける。 「ふぅん?駄目ならやめようじゃないか。」 面白がる声でロイが呟く、いやいや、とは駄々っ子のように首を横に振るしか出来ない。 「やめて欲しくないのかな?」 こくん、と麻痺した頭でが頷く。そうか、とロイが再びしゃぶりつき、胸の先端を刺激しないように円を描いてれろり、と舐める。ぞくり、としてが身構えるがまたロイは先端を舐めることはせずに唇を離す。 「ゃん……、たいさの意地悪……。」 がぼそり、ともらすと、ふふとロイが胸元で笑う。その息が湿った胸を刺激してぴく、とが反応する。 「何がかね? どうして欲しいのか言ってごらん?」 つん、と指が先端に触れてすぐに離れた。あん、とまたが声をあげてロイの頭を抱きしめる。 「ちゃんと……最後まで舐めてくださいっ。くりくり、って口の中で転がして、下さい。」 恥ずかしいことをおねだりしている、と言う自覚がの頬を赤く染める。 「お望みのままに。」 嬉しそうにロイが頷く。待ち構えていたかのように強く、弱く、緩急をつけてロイが乳首をしゃぶる。ぐりぐり、と強く抑えるようにして反対の胸を揉まれたが、いつの間にか強く触れられてもはそこに痛みは感じなくなっていた。その代わりに強い快感が押し寄せてきてぎゅっとロイにしがみつく。 「ひゃ、んっ。あっ……だめっ、あんっ。」 両胸、交互に激しくロイの口内に飲み込まれて執拗に攻められては声をあげずにいられなかった。やはりだんだんと腰に変な疼きを覚えて、無意識に膝が上がりぐっと両膝をあわせるようにして力が入ってしまう。 「ああんっ……。」 ふにゅ、と全身の力が抜けてかくり、とすべるように両膝が床に落ちる、同時にしっかりロイを抱きしめていたはずの両腕もすとん、と床に滑り落ちる。 「そんなに、良かったのかな? ふふ。」 ロイが嬉しそうな声で言ったので、嬉しくては微笑んでみせる。ずっと跨っていたロイがやっと降りると優しく唇に触れるだけのキスをする。片手は自分の居場所だとでも言うようにまだ胸をまさぐっている。 唇がはなれると、コレで性交は終わりなのだろう、と安堵してが上体を起こそうとする。が、両膝にロイの手の平が置かれ起き上がりかけたところでが硬直する。 「あっ……。」 くい、とロイの手に少し力が加わっただけで足は簡単に開かれる。その間を覗き込むような位置にロイが居たから思わずが声をあげる。 「可愛いなぁ、本当に。」 くすくす、と笑いながらロイの体が両脚の間に滑り込んでくる。ぐい、と持ち上げるようにしてスカートを捲し上げられてももまですっかり露にされてが顔を覆う。 「きゃぁぁぁっ?」 ロイの手が撫でるようにして両足の付け根の部分をまさぐる。にやり、と笑ったかと思うと下着の間から指を差し込んでくる。 「ふあぁぁんっ、た、いさ?」 くちゅ、と小さい音が下半身から聞こえる。ロイの指がの秘所を弄っていた。だめ、と喘ぎながらが自分を抱きしめるようにして両胸を抱きしめるようにしたが、その白い腕と腕の隙間から零れる乳房がロイをますます煽っているなどとは、は知らなかった。 「。」 ぎゅっと目を瞑って堪えていただが、ロイに呼ばれて目蓋を開ける。優しく微笑むロイの顔がそこにはあった。下半身に触れる指の感覚が次の瞬間消える。ほっとして息をつくの目の前にロイの手が差し出される。 「こんなに濡れてるよ、君。」 「ぁ……。」 ヌラり、とロイの指先を何かが濡らしている。怯えてが息を飲むとロイがまた「可愛い」と囁いた。 「失礼するよ?」 ロイが断りを入れると、両足首を掴んで自分の肩に乗せた。その無様な格好に怯える暇も無く強引に秘所を覆う布をロイが左側に寄せてむき出しにする。ぬるり、とお尻のほうにどろりとしたモノが流れる感触にが声をあげる。 「やっ、何?」 その問いに答えはなく変わりにロイの手の平全体がそこに無造作に押し付けられる。 「あぁぁっ、やっ、大佐ぁぁっ。」 触れた手の平はくちゃ、と音をたてて押し付けるようにして撫で回す。撫でながら押し広げるようにして手の平は侵入してくる。じっとりと濡れたそこは、ロイの手の平に刺激をされますます潮を吹き、尖った部位がぐいぐいと押しつぶされる。そのたびにが嬌声をあげて腰を浮かせ、両脚をばたつかせる。 「やあんっ、あんっ、ああっ。んっ……。ふぁっっっ、大佐ぁぁぁっ。」 初めての感触にが腰をくねらせる、どくん、とそのたびに溢れるように愛液がながれて腰を伝って行く。 ぐちゅ、とそこにロイが手の平をあてがい掬うようにして拭う。その時の刺激でまた、とくん、と溢れたのだがロイは気にしていないようだった。 「みてごらん、。」 言いながらロイが手の平をの胸の上で傾かせる。ぽた、ぽた、と糸を引くようにしてそれが胸元に振る。 「や……。」 羞恥にが顔を背けるがロイは許さない。そのまま、再び秘所に手を添えると粘液を掬って胸元に零し両手でそれを潤滑液として胸の上を滑らせる。 「ぁぁんっ。やぁ、大佐っ。」 新しい快感に、止まらず腰を浮かせてが喘ぐ。むにゅ、と掴もうとするロイの手を滑るようにして胸が逃げる。それが面白いとでも言うように飽きずにロイの手の平が両胸を弄る。 「可愛い、可愛いよ、。」 うわごとのようにロイが繰り返す。が盗み見ると、ロイもぼんやりとにごった瞳で胸を凝視していた。 「大佐……。」 「。」 金属の擦れる音がしてそちらを見るとロイがズボンのファスナーを下ろしている所だった。ごそごそ、とロイの指がそこを弄ぶと、覗いていた下着の合間からはじめて見る男性器が顔を出す。ぐっと上を向いたそれは、緊張しきっていてはただ恐いと思った。 「あぁぁぁぁぁ……。」 震えるにロイが笑った。いつの間にか優しさは削げ落ちてしまったかのように野性的な表情がそこに宿っていた。 ちゅ、とそれが秘所に触れると水音がした。指より遥かに太く硬いそれが触れただけで、の体は痺れたようになる。くちゅ、くちゅ、とそれが入り口をかき回し突起を擦る。 「ふぁぁぁぁ、あっ、んっ。」 ロイの腰の動きに合わせての喉の奥から一際高い声が発せられる。もう、自分の声だという感じは無かった。何処かから自分の体を遠く見守るような感覚で自分の声もまた聞いているようだった。だが、快感が襲うたびに、どくん、と何かが溢れびくり、と動く足がロイの肩の上で踊る。 「可愛い声だ。」 ぐちゅ、と音を立ててソレの先端を綺麗にが飲み込む。 「やあああぁぁぁーっ」 ぐい、と無理やりに前屈をさせられるようにしてロイの体がのほうに傾く。押し付けられた腰がぐいぐいと侵入を許していく。折りたたまれる体の所為でべっとりと濡らされた胸に自分の太ももが押し付けられて、むにゅり、と滑る。胸に与えられる快感と胎内に掛かる負担での両目から涙が零れる。 「ああ……んっ、むっ、はぅっ。」 迫ってきたロイの唇が声をあげるの唇を塞ぐ。んんっ、というくぐもった音だけが鼻から抜け、ぬちゅぬちゅ、と繋がったそこが擦れる度に淫猥な音を立てていた。 ぐっ、ぐっ、と挿れられるたびにソレはどんどんと奥まで進んでいけるようだった。激しくされるうちにパン、と肉のぶつかる音が腰があたるたびに聞こえる。 「ゃんっ、あっ……?」 急に唇を開放されが戸惑うとロイが耳元で囁く。 「いいかな?」 「んぁっ、ん。はい……あっ。」 ずん、ずんっ、と深くまで腰を打ち付けられながら頷く。何がかはにはわからなかった。 どば、と何かがロイから漏れ出したような感じがする。 下半身が熱い、液体が押し入ってくる瞬間が背中を仰け反らせる。 「やぁぁぁぁっ。」 「はっ、あぁぁぁぁ。」 子宮までソレは注ぎ込まれて、は呆然と達する。くたり、とロイの脱力した顔が見えた。 「何で泣く?」 は泣いていた。ロイの傍に居るこの瞬間が幸せすぎた。 「だって、あなたは……来週には、東方に帰ってしまいます。」 寂しい、と呟くをロイが抱き寄せる。可愛いなぁ、とロイが笑う。 「また私は中央にくるよ、。」 「でも。……私だけが好きなんです、大佐は別に私のこと。」 「ああ。」 あっさりとロイが頷く。 「女性はみんな、好きだよ。それじゃあ、駄目か?」 「……私が、欲張りになってしまっただけ、なんです。」 明日になったら、私の事なんて忘れてしまうんでしょう?とが泣く。 一夜だけの、夢だったんでしょう?と 「一夜の、美しい夢だよ?でも、これきりじゃない……。」 ロイが微笑む。 「え?」 「帰るのは来週だ、それまで、毎日しようではないか、?」 ロイはをぎゅっと抱きしめる。それを、は喜んでいいのか、わからなかった。 ■ あとがき ■ ごめんなさい。大佐変態すぎですね。 というか、台詞がくさい……チェック入れてまともにしてみてこれです。 砂吐きな変態でした、最初(汗)。 お、怒らないでくれると嬉しいです(死)。 |