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Bath time


 リザはのんびりと、新曲をかけたデッキに耳を傾けていた。
 久しぶりに、ゆっくり出来る気がする、まだ東方司令部に居た時に起きた傷の男騒動から、大佐の中央召還、と息をつく暇もなく毎日が過ぎた。
 依然、傷の男は死体も出ぬままだし、中央に来たら来たでロイを嫉妬する上官や同僚からの嫌味、嫌がらせ……だけでは済まず、刺客も時折やってくる。
 一人にはしておけぬという理由で、毎日送り迎えをするはずが、気がついたら中央召還後三日目にして、ロイ・マスタングはリザの部屋に転がり込んでしまった。
 言い分はといえば、大佐に与えられた官邸では「護衛の兵卒が鬱陶しい」との事だが、リザの部屋に転がり込んできた時に拵えていた傷をみれば、その中に刺客が紛れ込んでいたのだろう、とリザは納得して招き入れた。
 おかげで、連日ゆっくりとする暇もなく、帰宅後も大佐のお守りをせねばならないのだが、それはそれで賑やかで楽しい、と思っている。
 それよりも、ロイの傍に居るリザを案じて家のすぐ傍に野宿をしている部下にあたる男の方が気に掛かるが、ロイも彼のことに気付いた上で、普段は家に上げないものの食事時になると呼んでやるものだから、取り合われている(……という言葉は適切ではない気がするが)リザとしては、毎日落ち着かない事は事実である。
 今、男はこのバラードが気に入っているのか、演奏にあわせて外で歌っているようである、ロイの方は先ほどシャワーを浴びに行っている。
 声の距離からして、男はバスルームに近い側の壁にもたれているのだろう。銃の腕は自分の方が上だと言う自負はある。
 だが、万一の時ロイを助けてくれるであろう人間だとは思うので、少し心強くも思う。だからリザは、久しぶりにのんびりとしていられるのだ。

 「うわあああ」
 ガターン、と大きな音が響く。まるで、浴室のドアに誰かが体当たりをしたような音、そしてロイの悲鳴である。
 侵入者。
 リザの脳裏にその言葉が浮かんだ瞬間、仕事用であるはずの拳銃を手に取る。
 私服時でも銃の携帯を許されているとはいえ、軍人の誰もがこれほど身近に銃をおいたりしないが、ここ数日の騒ぎでリザもすっかり神経が過敏になってしまっている。
 常に、何が起きても対処できるようにと、手の届く距離に銃を置いていた。
 「大佐、大丈夫ですかっ!?」
 蹴り開けられたような音がしたはずのバスルームは、何故かしっかりと扉が閉まっていたのでノブを回しながら半ば体当たりのようにリザが開けて駆け込む。
 しかし、そこには平穏そのものの光景が広がるだけであり、危険は感じられない。

 ……つまり、平たく言えばロイが不注意で転んだ、と言うだけの事のようだった。
 「やぁ、中尉。」
 全裸で仰向けに倒れた男が、リザを見上げていた。気まずそうな笑いを浮かべている。
 「ご無事、のようですね。」
 「待ちたまえ、ホークアイ中尉。」
 はぁ、と溜息をついたリザが「なんでしょう?」と問う。
 「……私服がスカートなら、おいしいポジションだったのだが。」
 「仰りたい事がそれだけなら戻ります。」
 リザはわざと呆れた声を出してみたが、正直ほっとした。床中が泡にまみれている、間違いなく不注意で滑っただけだ。
 「いや、起こしてくれないか? 滑って、起き上がれない。」
 「了解しました。」
 はぁ、とわざとらしく溜息をつきながら、シャワーを掴み、床全体とそれからロイに向かって湯をかけて泡を流してやる……もちろん、助け起こしたりしないままに。
 「リザッ、溺れるじゃないかっ。」
 「そのまま助け起こすには、私まで転んでしまいますから。」
 あくまで淡々とリザは事実を口にする。
 「愛がないな。」
 ロイが寂しそうな声音をつくり、格好をつけるが全裸で風呂場に転んだ姿で言われてもリザも困る。
 「そのような姿を見せられて、即棄てないだけ愛があると思ってください。」
 溜息をつきながら、ようやくあらかたの泡を流してやったリザはロイの目の前に手を差し出す。「意地が悪いね。」などと呟きながら、それでも何とかロイが立ち上がる。
 「折角だから、君も入って行きなさい。」
 にやり、と悪魔のような笑顔が間近に迫る。嫌です、と答える前に唇を塞いでしまっていた。
 そうしている間に、両腕が首に回される。濡れた髪から絶えず流れる水滴がニットに染み込む。
 絡み付いてくる舌の感触に戸惑いながら、拒もうにも突き飛ばせば全裸のロイは怪我をするだろうと冷静に我慢した。
 床は固いし、ここで突き飛ばせば浴槽の縁に頭を確実にぶつける。先ほど転んだばかりのロイを突き飛ばすのは、躊躇う。
 「嫌です。」
 ようやく、長いキスから開放されたリザの一言目はそれであった。既に水浸しのロイに抱きつかれた事でかなりリザ自身も水浸しであったが、彼の気まぐれに付き合うつもりはない、いつも、ないのにいつの間にかペースに飲まれてしまうのだ。
 「風邪をひくよ」
 にっこりとして、男が言う。言いながら、抱きしめたままの身体を引きずり、タイルの床に押し付けられる。
 「身の危険を感じて、ここに転がり込んだのでしょう? なのに、どうして毎日毎日……。」
 べたべたとくっつきたがるのですか、と続けたかったのだが、思いがけずロイの人差し指がリザの唇を「しぃ」と言う様に押さえた。
 「毎日でもしたいから。」
 「大佐!」
 リザは抗議に出ようとしたのだが、ロイはそんな事で怯む事はない。「さぁ、脱がしてあげようね。」と嬉しげに服をめくって行く。ニットを取られてしまえば、下着など濡れた腕で触れられれば透けてしまうだけだ、現に今そうなっているであろうその感触が判るために、リザの頬が上気する。
 「これでは、このような姿にされては、有事の際にあなたを守れません。」
 きっ、と睨みつけてリザは言うが、ロイは大丈夫、と笑う。
 「構わない、私は自分の事くらい自分で守れるさ」
 「馬鹿いわないで下さい、ここはバスルームですよ? 雨の日と同じ、火花は出せない、だから大佐も無能です!」
 「……でも、不能ではないと言う事を見せてあげようか。」
 一瞬、ロイは無能と言う言葉に怯んでみせたが、逆に怒らせてしまったようである。
 最近は、無能と言われる事にも随分と慣れてしまったようだ。一度リザが口にしたら、司令部で流行ってしまい、何かと言うと無能とからかわれて来たのである、ロイも流石に鍛えられる。
 「そういう意味でしたら存じていますから、やめ、て。」
 「スカートだったら、脱がす手間がなくなるんだがね。」
 不服そうにロイが呟きながら、パンツの留め金を引く。
 「こんなところで、異常、です、大佐。」
 半泣きになりながら、リザが訴えるが、赤面し目を潤ませた姿が余計にロイを喜ばせるだけで、先ほどまでよりも勢いづいて下着を剥ぎ取って行くだけだった。
 「ここよりも浴槽の方がいいのかな?」
 「冗談じゃありません!」
 浴槽と比較して、ここ、と言う事はタイル張りの床と浴槽の中とどちらにするか、と言う選択肢を迫られたと言う事であろう、それならばまだ、ここのほうがいい、とリザは妥協せざるを得なかった。
 「素直な子は可愛いよ。」
 ふふん、とロイは耳元で笑いながら、すっかりと剥いてしまったリザの衣服を片手で器用に浴室の外に放り投げる。
 「やっぱり、駄目です。こんな時に襲撃されたら、私は。」
 守れない、とまた主張するつもりであったが、耳朶を甘噛みしていた男が耳元で囁く。
 「すぐ外に、彼が居るんだろう、大丈夫だよ。」
 「……ええ、だから気付かれてしまいますっ」
 ロイの手がリザの胸の上を這う、唇は依然として耳元を攻めている。
 「簡単だ、じゃあ君が声をあげなければいい。」
 「無茶ですよ……。」
 ちゅ、と至近にあった顔が再びリザの唇を塞ぐ。
 すぐ傍にあるロイの瞳が、じゃあ塞いでおけばいい、と語っているようだった。
 リザは、いつもこの人には逆らえない。それはわかっている、そのうえでこのままロイの要求を受け入れるのは嫌だと、意思表示の為にロイの身体を押し返した。
 にやり、とロイの目元が綻ぶ。胸元を優しく撫でていただけの指先が、先端をつまみあげ転がした。
 声を上げる事はできず、思わず、歯を食いしばろうとすると、目の前の男の顔がしかめられた。
 ああ、舌を噛んでしまったのだ、とリザは思いながらも、罪悪感は感じない。
 こんな事をさせるほうが、悪い。
 「痛いじゃないか」と言いたげに、ロイの目が睨んでいる。同時に、仕返しのつもりなのか、一度に複数の指がしっかりと閉じていた足を広げさせ、強引に挿れられる。
 「痛いじゃないの」とばかりに、噛み切らない程度にロイの舌を噛んでやると、むっとしてロイの顔が離れる。
 「何をするんだ、君は……。」
 「だって、声を……。」
 封じられたから、とリザが言い返そうとしたのだが、言い切る前に強引に膝を左右に広げられる。
 「いつもより、悦んでいるんじゃないのかな?」
 触れる事も挿れる事もせずに、ロイが「そこ」を見下ろす。
 「そんな事ありえません。」
 反論の声は思わず小さくなる。何を言っても、こんなに明らかに見つめられては隠しようもない。
 つぅ、と何かが下に伝って行く感触が判る、それがいつもより多く早いであろう事も、リザが一番良くわかっているし、驚いても居るのだ。
 「そうだね、いつも通りだ。」
 ロイは、屈辱の涙を堪えているのに気付いたのか、もっと意地の悪い事を言われるだろうというリザの予想を裏切って、そんな風に呟いて指先で先端を弾いた。
 「あっっ。」
 こんな姿を、いつもどおりなどと言われるのも不本意なのに、その意義を唱えさせない。
 濡れた場所を、ロイの舌が這っていた。
 「い……や」
 何とか小さな声に押さえるが、歯を食いしばっても執拗な舌の動きに鼻から甘い音が漏れる。
 リザの両手が、両のももに挟まれた頭を追い出そうと必死に押さえるが、しっかりと腰を掴んだロイの頭は揺らぎもしない。
 「邪魔をしないでくれたまえ。」
 憮然として顔を上げたロイが、自分の口の周りについたものを音をたてて舐める。そうして、目のあったリザに悪魔のような微笑みを投げかける。
 「嫌なんです。」
 「でも、私はこうするのがいいんだ。」
 無茶苦茶だ、とリザが睨むと、ロイが丁度リザの両腕の下に自分の腕を通し、ぐい、と持ち上げた所だった。
 「大佐?何を……っっ。」
 冷たい。
 押し倒された身体を、無理やり起こしたかと思ったら、次はタイルにぺたん、と座らされた。
 下半身を襲った不本意な快感の所為で、だらしなく投げ出された足は左右に開き、ぴったりとタイルに熱くなってしまった部分が押し付けられる。その刺激に、耐え切れずに今度は吐息と共に涙が頬に零れる。
 リザの身体には全く力が入らず、ふにゃふにゃとそのまま、そこで滑って行きそうになるがタイルに擦れた部分が、また過敏に反応を示してどろりとあふれ出たものの存在を感じる。
 「いや、たいさ……。」
 すがるように見ると、ロイが待っていたと言わんばかりに両腕で抱きとめてくれた。
 すっかりと火照った身体を、両腕で支えられ、頬を肩に預けるとホッとした。
 こんな目にあわせているのが、この男だと言うことも気にならなかった、恐らくこうなる事を予測して座らせたのだろうとも、理解していたが、普通に抱きしめられている分には幸せすら感じる。
 「楽になる方法を教えてあげようか?声も出さなくて済む方法。」
 咄嗟に、リザの頭は頷いていた。ロイはそれを見ると、バスタブの縁に腰をかけて自分の両足の付け根に座らせたままのリザの頭をうずめさせた。
 まさか、と言う表情で見上げるリザの髪を撫でて「嫌かい?」と尋ねた。
 リザは諦めて首を左右に振った後、自分からそれを口に含んだ。
 敏感な部分をタイルに押し付けられたまま、口の中にはロイ自身の反応を感じながら、肩を揺さぶられて体はつるつるとタイルの上を滑らされる。
 口に含まされたものがもたらす背徳感だけでも、ものすごく下腹部を刺激するというのに、とろとろと流れ落ちるものがタイルとの潤滑を促して、突起にはそのたびに刺激が与えられる。
 気が狂いそうだ、とリザはロイの顔を仰ぎ見る。
 おかしくなりそうならば、おかしくなりそうなのと同じくらいの愛撫を舌で加える。
 そうする事で、気持ちを伝えようと必死に舐め、軽く噛みさえした。
 膨張するそれのせいで、息も苦しいというのに。
 「もう、いいよ。」
 今度はロイが声を堪えている、と知りリザはそのまま攻め続けようとしたが、強引にタイルに引き倒されてしまった。
 「最初からまじめにやって下さい。」
 「ああ、すまないね。」
 
 お互い我慢の限界に達していたのか、それまでの焦らしあいと裏腹にあっさりと一つになった。
 もれる喘ぎ声を、止める様にロイの唇が塞ぐが、彼もまたそうする事で堪えているのかもしれなかった。
 体と体が出入りする音、ぶつかり合う湿った音だけが閉め切られた浴室に静かに響いた。
 
 「大佐。」
 事が済んだ後も、まだぼんやりとするリザに「ん?」とロイが優しく受け答える。
 自分がさんざん踏み荒らした体を、ロイは嬉しそうにスポンジで磨いてくれている。
 「どうして、今日はこんな変態みたいな真似を……?」
 膝の上に乗せて、ごしごしとリザの肌を擦っていた手を止めてロイが「ああ」という。
 「それは、あそこを見てごらん。」
 後ろからぎゅうっと抱きしめられながら、ロイの指が指す方向を……浴室の換気用の小窓の方の眺めると、そこには。
 ……。
 「ジャン?!」
 ……絶望的な表情を浮かべて、抜け殻のようなうつろな目をしたハボック少尉がこちらを向いている。
 「最初に倒れた時に、覗き込んできた気配がしたから、目の保養にと思ってね。」
 いや、嘘だ。とリザは内心毒づいた。
 あれは保養された顔じゃあありません、と喉元まで出かかった。
 「私は大佐なのに、彼はファーストネームで呼ぶんだね。」
 悲しいよ、と科を作るロイをみて、ようやくリザは納得がいった。
 彼女自身にどうこうしたいという気持ちよりも、覗いているジャンに嫌がらせをしたかったのだ、と。
 「……変態、そのものですね。」

 「そんなに少尉を気にするのなら、彼となさって下さい」
 リザは手近なところにあった風呂桶をロイに投げつけて背を向けた。


■後記■
……あーれぇ?(−−;;
どう書いてもぬるいラブラブのはずが、ものすごいハードになってしまったんですが(汗)
シュチュエーションをハードにしすぎましたのこと?(滝汗)
しかも無駄に長いよぅ。
うわぁぁぁん、苦手なんですってば。
誰か「お手本見せてやるぜ」と言う方、書いて下さい〜、もれなく掲載させていただきます〜(死)<何気に勧誘

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